カリスマの12の技法
カリスマは生まれつきの一つの才能ではなく、少なくとも一部は数えられる技法の集まりです。リーダーシップ研究では「カリスマ的リーダーシップ戦術(CLTs)」として12個が整理されていて、内訳は言葉の技法が9つ、体の技法が3つ。この12個を教える訓練の前後で、聞き手からのカリスマ評価が変わったという実験結果が報告されています。
出典: Antonakis, Fenley & Liechti「Learning Charisma」(Harvard Business Review, 2012年6月号)、および「Can Charisma Be Taught? Tests of Two Interventions」(2011年)。12個の分類と名称は上記の整理に沿っていますが、下の例文はすべて当サイトが独自に作成したものです。効果の大きさは訓練の条件や測り方によって変わるため、当サイトでは具体的な数値を効果の目安としては掲げていません。
言葉の技法 9つ
何を、どういう形で言うか。12個のうち4分の3がここに入ります。文章でも使えるのがこちらです。
1たとえる
伝えたいことを、相手がすでに知っているものに置き換えて言う。
聞き手は知らない話を覚えられない。知っているものに載せると、その場で絵が浮かぶ。
2自分の話をする
一般論ではなく、自分が実際に見た・やった・失敗した場面を語る。
実体験には反論のしようがなく、同時に語り手の人となりが出る。距離がある人ほど効く。
3対比で言う
「AではなくB」の形にして、選ばなかったほうを一緒に見せる。
人は比べたときにだけ、その主張の大きさが分かる。やさしい言い方で輪郭がぼやける人ほど効く。
4問いかける
答えを言う前に、聞き手に問いを投げる。答えさせなくてよい。
聞き手の頭が自分で動き出し、こちらの結論を「自分で気づいたこと」として受け取る。押しが強い人ほど効く。
53つに数える
言いたいことを3つに切って、「3つあります」と宣言してから話す。
数を先に言うと、聞き手は終わりが見えるので最後まで聞く。話が長いと言われる人ほど効く。
6みんなの気持ちを先に言う
その場の人が思っていて口に出していないことを、こちらから言葉にする。
「分かってくれている人」になった相手の話は、内容が同じでも通る。先を急ぐ人ほど飛ばしやすい。
7何を大事にしているか言う
手段の話の前に、自分が譲らない基準を一言で置く。
基準が見えている人の判断は、個々の決定に納得がいかなくても筋が通って見える。やさしいだけの人に芯が通る。
8高い目標を口に出す
届くか分からない水準を、はっきり数字や情景で言う。
低い目標は誰の心も動かさない。前に出るのが苦手な人が、いちばん最初に試すべき技法。
9できると言い切る
高い目標のすぐ後ろに、「われわれならできる」を根拠つきで置く。
目標だけ置くと不安が残る。8とセットで初めて機能する。語尾を濁すクセがある人ほど効く。
体の技法 3つ
同じ言葉でも、声・顔・手の使い方で届き方が変わります。数は少ないぶん、一つ変えたときの差が大きいところです。
10声を動かす
大事な一文の前で少し遅くし、少し下げる。全体を大きくするのではない。
一定の声は内容にかかわらず聞き流される。言葉で勝負している人ほど、ここが空いている。
11表情を出す
うれしい・困った・意外だった、を顔に出してから言葉にする。
顔が動かない人は、正しいことを言っていても冷たく受け取られる。距離を保つタイプの人に効く。
12手を使う
数を言うときは指で、大きさを言うときは手のひらの幅で示す。
手が動くと聞き手の目が話し手に留まる。腕を組む・ポケットに入れるのをやめるだけでも変わる。
12個すべてを一度に試さない
一度に全部を意識すると、どれも中途半端になったうえに不自然さだけが残ります。カリスマ診断では、40問の結果からあなたに空いているところを埋める3つを選んで出しています。まずはそこから始めてください。
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